家族ゲームのヘリコプターのラストを考察※兄弟2人の自己認識の象徴

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森田芳光監督の映画『家族ゲーム』では、ラストのヘリコプターのシーンに不思議な感覚を覚えます。

この記事では、ヘリコプターのシーンに込められた意味を深く掘り下げるとともに、本作を無料で見る方法についても解説しています。

家族ゲームのヘリコプターのラストは自己認識に至った象徴

ヘリコプターのプロペラが自力で回転していることから、家庭教師の吉本(松田優作)の存在、また吉本によって田沼家の2人の兄弟それぞれが自己認識に至ったことを象徴している、と読み取れます。

実際に吉本が来たことで、弟の茂之(宮川一朗太)は高校受験に成功し、兄の慎一(辻田順一)もスポーツに打ち込むようになっていきますよね。

ラストシーンではヘリコプターの音だけが聞こえてきて、ヘリコプターの飛んでいる映像や飛行理由などは、一切、明かされていません。

回転音だけを聞かせることで、家族という存在の危うさを暗に示しつつ、兄弟2人だけが自立していくのを象徴していると考えられます。

また、自力で動くヘリコプターに対し、バスや電車、ジェットコースターといった乗り物は他力で動きますよね。

空き地にあるバスがまったく動いていないシーンが出てきますが、他力である家族が動いていない、変化がない点を象徴しているとも読み取れます。

ラストでヘリコプターの轟音の中、沼田家の人々を睡魔が襲うシーンは、吉本が起こした問題提起や兄弟の変化が沼田家全体には認識されていないという象徴で、都会の一家族のゆるやかな崩壊を描いていると考えられます。

私は何度か本作を見ましたが、映画の冒頭の茂之の「家中がぴぃぴぃ鳴ってて、すごくうるさいんだ」という家庭内の不協和音を思わせるセリフは、実はラストのヘリコプターのシーンと深くつながっていると言えます。

森田作品らしい、反芻することで味わいが増す一作と言えますよね。

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本ページの情報は2021年1月時点のものです。

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